【うかのみたまのおおかみ】 「宇迦」とは食物、特に稲を指す。「宇迦之御霊」つまり稲に宿る神霊の意から稲荷(稲生り)神と称され、日本人の主食である米の成育を守る神格と捉えられるに至り、ひいては生活の始源を支える衣食住の守護神として伝播し、あまねく信仰を集めてきた。
五穀豊穣を司り、加えて家内安全・開運招福・諸産業繁栄・財運隆昌・諸芸上達など、人々のあらゆる願いに寄り添いながら広大かつ多彩な御神徳を顕す。古来より「おいなりさま」の愛称で万民に篤く崇敬されている。
【おおなむちのおおかみ】 大国主神の別名のひとつ。国造りと国譲りを行なった神。国土発展に尽力し、農業をはじめ医療や医薬の普及に努めた。古事記の説話『稻羽之素菟』で親しまれる心優しき縁結びの神でもある。
【おおみやひめのおおかみ】 宮中に於ける奉斎神。神人の間を取り持ち、善言美詞を用いて調和を図る女神。君臣に和合円満を招くことから、近世では接客業・サービス業に成功をもたらす神としても祀られている。
【じんぐうこうごう】 仲哀天皇后であり応神天皇の母。夭逝した夫君の遺志を継ぎ、懐妊の身ながら戦に臨んだ軍神。勝負に打ち克つ武運の女神であると共に、安産育児の守護神としても広く信奉を集める。
【おおたのおおかみ】 猿田毘古神の異称、或いはその神裔を指す。天孫降臨の際に邇邇藝命らの道案内を務めた。導きの神であり、道程の厄災を祓う霊験も兼ね備え、方途を切り拓く「みちひらき」の神として尊崇されている。